ノラ、クラり
1
「オービ!起きて!オビってば!」
"ん?お嬢さんの声のような"
重たいまぶたを少し開ける。
「やっと起きた!遅かったから入っちゃったよ」
そこには少し困った顔をする白雪の顔。
今日は朝から主のゼン殿下に呼ばれてたから
白雪を迎えに行って一緒に向かう約束をしていた。
"やばい、すっかり忘れてた"
「おはよう。お嬢さんに起こして貰えるなんて朝から気分がいいや」
オビがニヤリと笑ってみせる。
「もぅ、誤魔化さないで!早く支度してください。」
困った様子でオビを見つめる。
「お嬢さん起こしてくれるかい?」
オビの手に白雪がしょうがないなと手をのばす。
「キャッ」
そのまま白雪の手を引いてベッドに倒す。
「お嬢さん男の寝室に入ったらどうなるかわかるかい?」
白雪の上になり意地悪に言う。
「ど、どうって、、///」
白雪はみるみる赤くなりオビとの視線をそらす。
「お嬢さんこっち見て」
白雪の綺麗な赤い髪を優しく撫でる。
「早くどいてオビッ!からかうのもいい加減にして」
弱々しい力だが本当に怒っている白雪と目が合い我に返る。
「な、なーんてね!からかいすぎちゃいましたね」
グイッと白雪の体を抱き上げベッドから起こす。
そして誤魔化すように背を向けた。
「さっ準備して主のところに一緒に行きましょう」
「一緒になんて行くわけないでしょ!オビのバカっ」
白雪は急ぎ足で部屋を出て行った。
「ちょっとお嬢さん!待ってくださいよ!」