トクベツナヒト。
「鳳舞くん、おはよ!」

「はよ、烏丸-カラスマ-」


鳳舞くん、鳳舞先輩、鳳舞さん、烏丸、烏丸さん、烏丸くん、烏丸先輩。

彼の呼び名は沢山ある。

だけど、


「鳳舞、おはよ!」

「…あ?誰だ?俺の事鳳舞って呼んだ奴。…殺すぞ」


鳳舞って呼んでいいのは、私と、律斗だけ。特別らしい。


「鳳舞って呼んでいいのは俺の大切な2人だけなんだよ。わかったな?」


アホらしい。

そんな特別、嬉しい、なんて思うわけないでしょ。


「…早く行こ、鳳舞」


少しキレてる鳳舞を慰めるのは私の役目。

少しだったら上目遣いとか、ちっさい事で上手く落ち着いてくれるけど、とてもキレてる時は殴られたり、寝る時に乱暴にされたりするから面倒臭い。


「あー、つまんないなぁ」

「…?梓、なんか言った?」

「いや。なんでも」

「そ。じゃあ、また後でね。何かあったら、すぐに知らせて」

「うん、わかった」


私達はクラスが離れている。

私は2-2で、鳳舞は2-6。

1年の時は同じクラスだっから、2年で離れて、自由になれる!ってとても嬉しかった。

だけど、待っていたのは


『いつ消えるの?』
『鳳舞はみんなのもの』
『調子乗んなクズ』


くだらないイジメ。

別に、友達が欲しかったわけじゃない。

だけど、静かに何事もなく過ごしたかった。

机の中に悪口が書いてある紙が入っている。

そんなつまらないことから始まったイジメは、最近度を越してきた。
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