君と、シロツメクサと、


それから私は、これでもかというほど先生を意識するようになった。

順調に進む劇の練習も、いよいよ終盤。


「鏡よ鏡?世界で一番美しいのはだぁれ?」


「それは、白雪姫です。」



美麗ちゃん。すごい役ハマってる・・・


鏡役の駿斗も・・・ね!



そうやって、いよいよラストシーン。
私は目をつむっているから外の様子はよくわからない。




「わぁ!王子様ー!!白雪姫を、誓いのキスで目覚めさせてください・・!!」



これからみりとがわたしにキスをする振りをするんだよね。



「あぁ白雪姫。僕のキスで目を覚ましておくれ・・・」


くる・・・



チュッ




体育館に響いたリップ音で、誰もが驚愕した。

まさか本当にキスしたんじゃないか?!って。いやそれはないだろうって結局皆落ち着いたらしいけど。



でも私が一番驚いてるに決まってんじゃん・・・



私・・ほんとにキスされた・・・?

でも演技を辞めるわけにもいかず、セリフを続ける


「まぁ!王子様!そして小人さんたち!あなた方のおかげで、身体が浮くように軽いわ!今ならどこにでも飛んで行けそう!」


「わーいわーい!白雪さんがいきかえったー!」


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