夏祭りが終わるまで、この花火が終わるまで
花日と出会ったのは、花日がまだ五歳の頃だった。僕たち妖は普段は妖の住む世界にいるんだけど、僕は夏の間だけ夏祭りが楽しみで一足先に人間界に行く。その時、出会った。
最初は人間に見つかって面倒だなって思ったけど、花日の純粋さにいつしか癒されるようになっていた。やがて、それは愛情に変わっていったんだ。
でも、僕は妖で君は人間。僕は何千年も生きていて、君はまだ十年ほどしか生きていない。
立場も、姿も、何もかも違う。だからこそこの気持ちは封印しなければならないんだ。
「お兄ちゃん?」
僕がぼんやりしていると、花日に顔を覗き込まれる。僕は「ああ、ごめん。ちょっとボウッとしてた」と笑った。
「お兄ちゃん、早く行こう!りんご飴食べたいな」
花日が自然に僕の手を握る。その手は今まで触れたどの人間の手よりも優しくて、温かい。人の温もりにこんなにも泣きそうになるなんて、初めてだ。
「毎年このお祭り、楽しみなんだよね。お兄ちゃんとずっと楽しみたいから、友達にも内緒にしてるんだ」
最初は人間に見つかって面倒だなって思ったけど、花日の純粋さにいつしか癒されるようになっていた。やがて、それは愛情に変わっていったんだ。
でも、僕は妖で君は人間。僕は何千年も生きていて、君はまだ十年ほどしか生きていない。
立場も、姿も、何もかも違う。だからこそこの気持ちは封印しなければならないんだ。
「お兄ちゃん?」
僕がぼんやりしていると、花日に顔を覗き込まれる。僕は「ああ、ごめん。ちょっとボウッとしてた」と笑った。
「お兄ちゃん、早く行こう!りんご飴食べたいな」
花日が自然に僕の手を握る。その手は今まで触れたどの人間の手よりも優しくて、温かい。人の温もりにこんなにも泣きそうになるなんて、初めてだ。
「毎年このお祭り、楽しみなんだよね。お兄ちゃんとずっと楽しみたいから、友達にも内緒にしてるんだ」