シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 全身が火照り、鳴海くんの感触と匂いが心地良い。もう二度とこんな感覚は味わえないと思っていた。

 母親だから。

 私は颯太の母親であって、もう女じゃない。出産してからの四年は、ずっとそう思って生きてきた。

 だから、別の異性に恋愛感情を抱くなんて事も、あり得ないと決め付けていた。

「……あの、鳴海くん」

「うん?」

 俯きがちに彼に話し掛けると、彼はいつものように私の目を覗き込んだ。

「鳴海くんと付き合っていく上で、お願いがあるの」

「お願い?」

 キョトンとした彼の瞳をジッと見つめ直した。

「颯太に会って貰いたいの」

 ***

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