シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?

「あのさぁ。鳴海くんが良かったら、なんだけど」

「うん……?」

「明日から鳴海くんのお弁当、作って来て良い?」

「……えっ、」

 鳴海くんはパッチリ目を見開き、ぶんぶんと顔の前で右手を振った。

「いや、そんなのっ、悪いよ」

「別に悪く無いよ? 私、毎朝颯太の分と二人分のお弁当詰めてるの。それが三人分になるだけだし」

「で、でもっ、お金とか」

 あくまで遠慮する彼を見て、私は穏やかに笑った。

「彼女が彼氏の体調をいたわって、なにが悪いの?」

「………うっ、」

 鳴海くんは相変わらずの赤い顔で俯き、手で胸を押さえた。

「沙耶さん」

「うん?」

「多分それ無意識だよね?」

「え……? それって?」

「……ハァ。なんか俺、心臓撃ち抜かれ過ぎてヤバいかも」

 そう言って、照れ臭そうに鳴海くんが笑った。

「お弁当。作って来てくれると助かる、って言うか凄い嬉しい。沙耶さんの手料理食べてみたいから」

「うん! 任せてっ!」
< 119 / 430 >

この作品をシェア

pagetop