シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「あのさぁ。鳴海くんが良かったら、なんだけど」
「うん……?」
「明日から鳴海くんのお弁当、作って来て良い?」
「……えっ、」
鳴海くんはパッチリ目を見開き、ぶんぶんと顔の前で右手を振った。
「いや、そんなのっ、悪いよ」
「別に悪く無いよ? 私、毎朝颯太の分と二人分のお弁当詰めてるの。それが三人分になるだけだし」
「で、でもっ、お金とか」
あくまで遠慮する彼を見て、私は穏やかに笑った。
「彼女が彼氏の体調をいたわって、なにが悪いの?」
「………うっ、」
鳴海くんは相変わらずの赤い顔で俯き、手で胸を押さえた。
「沙耶さん」
「うん?」
「多分それ無意識だよね?」
「え……? それって?」
「……ハァ。なんか俺、心臓撃ち抜かれ過ぎてヤバいかも」
そう言って、照れ臭そうに鳴海くんが笑った。
「お弁当。作って来てくれると助かる、って言うか凄い嬉しい。沙耶さんの手料理食べてみたいから」
「うん! 任せてっ!」