シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
11.私の中のジレンマ



「ジンくん、早く早くーっ」

 颯太に急かされて、鳴海くんが膝まで埋め尽くされたボールを掻き分け、前に進む。

 ーーあっ。

 何につまづいたのか、急に鳴海くんが前のめりに転び、颯太がびっくりしてから笑う。

 保護者が座る用の椅子で、私は二人の様子を観察していた。颯太を見ていると、私と二人で遊んでいる時とは明らかに違った表情をしている。

 私と二人で遊ぶ時は、汚れない砂のキネティックサンドで型取りをしたり、絵本コーナーで本を見たり、ボルタリングで壁を登ったりと、割とこじんまりとした遊びをする事が多いのだが。

 相手が若いお兄ちゃんの鳴海くんとなれば、そこら中を走り回って滑り台をすべり、ボールプールのボールを投げて遊んだり、ターザンロープに揺られたりして、ダイナミックに体を動かして遊んでいる。

 無邪気に遊ぶその姿を見て、颯太は颯太なりに、その人に合った遊びを考えてしていたのかもしれないなぁ、とふと思った。

 三十分と決めた遊び時間は瞬く間に過ぎ去り、私は颯太と手を繋ぎながら鳴海くんに手を振っていた。

「颯ちゃん、楽しかった?」

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