シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「うん。ママもさ、すわって見てないでいっしょに遊べばいいのに」

「え。あ、そうだね? ママ、男の子同士の方が良いのかなって思っちゃって。今度は一緒に遊ぼうかな?」

 颯太は聞いているのか聞いていないのか、明後日の方向を見て、あっ、と突然声を上げた。

「ママーっ、ぼくアレ行きたいっ」

「え……?」

 パッと繋いだ手を放し、颯太が壁に向かって駆け出した。

「これ行きたいっ!」

 颯太が指していたのは壁に貼られた広告だった。大好きな新幹線やミニカーの写真に興味を惹かれたらしい。

「あ。トムカ博?」

「うんっ」

 来週あたりから始まるホールイベントで、参加した人全員に、ミニカーのプレゼントもあると書いてあった。

 ひとまず携帯を取り出し、その広告をカメラに収めた。

「ねぇ、颯ちゃん?」

「ん?」

「このトムカ博、ジンくんも誘って三人で行かない?」

「え……」

 突然の提案に、颯太はキョトンとしていた。丸い瞳に何で、と聞かれている気がして私は慌てて答えた。

「あ、ほら。だって。あのお兄ちゃんもプラレール好きだって前に言ってたじゃない? だから一緒に行った方が颯ちゃんも楽しめるかと思って」

「……うん。いーけど」
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