シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「最近になって知った事なんだけど、その男の子とは高校生の頃に一度会ってたみたいで。向こうはそれを覚えてて……私に告白してくれたの。私に颯太(こども)がいるって分かった上で、好きになってくれたの」

「……そう」

「彼ね……。中学に上がる前に親が離婚してて、母子家庭なんだって」

「え……っ、そうなの?」

「うん。今の私と同じような環境で育ってきて、きっと苦労もたくさんしてるのに……私に颯太がいるから、颯太の父親になれたらって思ってくれてるの。今すぐじゃ無くても、先の未来で…結婚したいって言ってくれてて」

「……その男の子、名前はなんていうの?」

「あ、えっと。鳴海くん、だよ? 鳴海仁くん」

 鳴海仁くん、と呟いた後で、母はアッと口を開けた。

「もしかして、颯太が言ってた“ジンくん”?」

「……うん。そうだよ。実は今、二人に仲良くなって貰いたいと思ってキッズパークで遊んだりしてるの。
 颯太に……その。彼氏だって説明出来ないから、今はまだ仲の良いお友達だって言ってて」

「……うん。そっかぁ」
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