シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 ーーお母さんにちゃんと話せて良かったな。

 胸のつかえが取れて、スッキリと楽な気持ちになっていた。

 結婚に対して、具体的な話をしていないからかもしれないけど。金銭的な事は何も言われなかった。

 お母さんは昔からそうだ。余程の事じゃない限り、私の意思を受け入れてくれる。

 ーー私も……。お母さんみたいなお母さんになれたらいいな。

 ぐっすりと熟睡する颯太を起こさないように、そっと布団をめくり、隣りに体を横たえる。

 充電しっぱなしのスマホは、すっかり満腹状態になっていた。

 ホーム画面を確認すると、さっき鳴海くんに送ったメッセージの返事が届いていた。

【いいよ(^ ^)来週の日曜空けておくから三人で行こう。個人的に好きなイベントだし、楽しみ】

 ーー鳴海くん…。

 やっぱり好きだなぁと思い、つい通話ボタンを押したくなる。

 でも今日はもう遅いし、颯太も両親も寝てる。

 ーー明日会えるんだから、我慢しなきゃね。

 かわりにメッセージだけを送る事にした。

【ありがとう(≧∀≦)大好きだよ、おやすみなさい】

 送信してすぐに返事が届く。

【俺も好き】

【大好きだよ、沙耶さん】

【おやすみ】

 ーーうわぁぁ…っ!

 彼のメッセージを見た瞬間、胸の奥に震えを感じ、きゅっと痛くなった。

 ーーなんだろう、心臓が痛い。撃ち抜かれるってこんな感じ……?
< 132 / 430 >

この作品をシェア

pagetop