シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
胸の前でスマホを握り締め、ごろりと仰向けになった。
鳴海くんと上手くいったら良いのにな。誰からも反対されずに、結婚できたら……きっと幸せだ。
スゥスゥと寝息をたてるまな息子を横目に捉え、私はそっと目を閉じた。
*
鳴海くんとの交際はすこぶる順調で、毎朝駅の改札口で待ち合わせ、手を繋いで出勤した。
手作りのお弁当を渡すのも、もう二週間を数えている。
学校に着く前にお弁当を渡すと、毎回母性本能をくすぐる笑顔で喜んでくれて、お昼休みになると感想と一緒に空になったお弁当箱を返してくれる。
あれが一番美味しかったとか、そういう感想を聞くと、鳴海くんの好物が見えてきて更に幸せな気持ちになる。
「沙耶さんって料理上手だよね」
そう言って褒めて貰えるのも嬉しい。
彼の色々な一面を知るたびに、私の愛情も加速していく。
手を繋ぐだけじゃ物足りない。
いつしかそう思うようになっていた。
颯太と私と鳴海くんの、三人で出掛ける日曜日。十二月初旬にしては暖かな日差しが降り注ぐ朝だ。
現地は駅から数分歩いたところにある大ホールなので、電車で行くと決め、駅で鳴海くんと待ち合わせた。
いつもの駐輪場に自転車を停め、颯太を自転車の座席から下ろしていると、不意に声を掛けられた。
「おはようございます」
赤と黒のマウンテンバイクを停めた鳴海くんが、爽やかな笑顔で駆け寄った。
「あ、おはようございます」
少し他人行儀かもしれないが、ペコッと会釈して挨拶すると、颯太も真似をして「おはようございます」と続けてくれる。
「颯太くん、今日は誘ってくれてありがとう」
「ん〜んっ、いいよー」
「いっぱい楽しもう」
「うんっ!」
私は颯太の小さな手をぎゅっと握り、彼と一緒に駅の改札口を抜けた。
***
鳴海くんと上手くいったら良いのにな。誰からも反対されずに、結婚できたら……きっと幸せだ。
スゥスゥと寝息をたてるまな息子を横目に捉え、私はそっと目を閉じた。
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鳴海くんとの交際はすこぶる順調で、毎朝駅の改札口で待ち合わせ、手を繋いで出勤した。
手作りのお弁当を渡すのも、もう二週間を数えている。
学校に着く前にお弁当を渡すと、毎回母性本能をくすぐる笑顔で喜んでくれて、お昼休みになると感想と一緒に空になったお弁当箱を返してくれる。
あれが一番美味しかったとか、そういう感想を聞くと、鳴海くんの好物が見えてきて更に幸せな気持ちになる。
「沙耶さんって料理上手だよね」
そう言って褒めて貰えるのも嬉しい。
彼の色々な一面を知るたびに、私の愛情も加速していく。
手を繋ぐだけじゃ物足りない。
いつしかそう思うようになっていた。
颯太と私と鳴海くんの、三人で出掛ける日曜日。十二月初旬にしては暖かな日差しが降り注ぐ朝だ。
現地は駅から数分歩いたところにある大ホールなので、電車で行くと決め、駅で鳴海くんと待ち合わせた。
いつもの駐輪場に自転車を停め、颯太を自転車の座席から下ろしていると、不意に声を掛けられた。
「おはようございます」
赤と黒のマウンテンバイクを停めた鳴海くんが、爽やかな笑顔で駆け寄った。
「あ、おはようございます」
少し他人行儀かもしれないが、ペコッと会釈して挨拶すると、颯太も真似をして「おはようございます」と続けてくれる。
「颯太くん、今日は誘ってくれてありがとう」
「ん〜んっ、いいよー」
「いっぱい楽しもう」
「うんっ!」
私は颯太の小さな手をぎゅっと握り、彼と一緒に駅の改札口を抜けた。
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