シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 ミニカーの絵を合わせるルーレットに並んでいる時、ふとこんな会話を耳にした。

「ねぇねっ、ママ! あのお兄ちゃんカッコいいねっ?」

「どれどれ、どの人?」

「あの頭が白いお兄ちゃん」

「あぁ〜。ホントだね、アイドルみたいだね」

 声がした方向を何気なく見やると、私たちより後ろに並んだ女の子とお母さんが会話していて、女の子は鳴海くんを指差していた。

 ーーアイドルかぁ。確かに、ここにいるパパさん連中の中では一際目立つし、まだ学生で若いからそう見えるのかもしれないなぁ。

 彼氏を褒められた気がして、何となく嬉しくなる。

 それから二度目のトムカ釣りに並び、最後に乗れるトムカというアトラクションで終わりとなった。何度も長い列に並んで立ちっぱなしだったから、体もかなり疲れていた。

 結局、鳴海くんが買ったプレイチケットも全て使う事になり、申し訳なくなるが、鳴海くんはううんと首を振り、颯太が楽しむ所を写真に撮っていた。

「後で写メ送るね?」

「うん、ありがとう」

 颯太の乗った電車が二週目を回り、「ママーっ」と私を呼んでぶんぶんと手を振った。

 笑顔で振り返し、ふと時間が気になった。腕時計に目を落とす。

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