シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「何だよ、仁〜。知り合いなら紹介しろよー?」

「なに馬鹿言ってんだ」

 鳴海くんがムスッと顔をしかめ、狭い通路をレジへと進む。すると、何かに足がつまづいたのか、廊下で派手に転倒した。

「いってぇ…っ」

「だ、大丈夫??」

 慌てて駆け寄ると、鳴海くんは恥ずかしそうに俯いていた。

「あははっ、仁ってば相変わらずドジだな〜」

「うるさい」

 何事も無かったかのように立ち上がり、友達の男の子に続いて鳴海くんも商品をレジカウンターに置いた。

「はい、仁くんとチャック、二人とも千四十円ずつね?」

「はーい」

 ーーチャック? あだ名かな?

 二人はそれぞれ祥子さんにお金を払い、商品を手に階段を登って行った。

 去り際、鳴海くんが会釈をしてくれるので同様に返した。

 二人が居なくなると、祥子さんはさっきと同じ質問を今度は私にぶつけた。

「……えっと。知り合い、なんですかね。あの、ご近所さんなんです。今朝もゴミ出しで見掛けて…」

「そっかぁ。なるほどね〜」
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