シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
13.尽きない悩みのタネ
「……はぁ〜」
心ここに有らずといった状態で、ため息がもれる。今朝からもう何度目かのそれか分からない。
「…ど、どうしたの? 沙耶ちゃん」
見兼ねた祥子さんが、私を見て眉根を下げる。仕事中にもかかわらず、暗い顔でそう何度も嘆息を繰り返していたら当然心配される。
私は申し訳なくなって、すみません、と頭を下げた。
「ちょっと……。恋愛って、育児と並行すると難しいなぁ、と思いまして…」
実のところの悩みを簡単に言えなくて、広い意味で伝える。
「うーん……。仁くんと上手くいってないの?」
「……上手く、いってないって言うか。別にそういう訳でも無いんですけど。私の要求がおかしいのかなって…。なんか、自分でもどうしていいのか分からなくなって」
祥子さんは眉間にシワを寄せ、うん? と首を傾げた。
三時から十分間のみ開ける仕事時間なので、会話の合間に学生たちのレジが割り込んだ。
「……とりあえず。詳しい話は、お店閉めてからにする?」
祥子さんに問われて、私は小さく顎を引いた。
廊下にチャイムが響き渡り、シャッターを下まで閉め切る。
休憩室の扉を閉めて、祥子さんと並んで椅子に座った。
「なんて言うか……悩んでるのって沙耶ちゃんらしくないよね?」
「え?」