シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「あぁ、いや。別に悪い意味じゃ無いんだけど……沙耶ちゃんってそこそこ悩みがあっても、いつも前向きに頑張ってる感じしたから」

「そう……ですかね?」

 自分じゃ分からないけれど、少なくとも祥子さんから見た私はそうなんだろう。

「さっき詳しくって言ったけど、別に無理して言わなくてもいいからね?」

「あっ、いえ! 良かったら相談に乗って欲しいです」

「本当? 無理してない?」

「して無いです!」

 真剣な目で言い切ると、祥子さんは、じゃあ、と言って僅かに身構えた。

「……さっきは、学生たちもいたから言いにくかったんですけど。
 祥子さんは、その。旦那さんに触りたいとか、触られたい、とか。思ったりしますか?」

「えっ、……はぁ!?」

 祥子さんのオーバーとも取れるリアクションを見て、若干恥ずかしくなり、私は肩をすくめた。

「あっ、いや、うちはその。結婚してもう六年も経つし、全然新婚とかじゃ無いからアレなんだけど……。まぁ、結婚前とか、当初はね〜。そりゃあ色々とあったわよ? 子作りに励んでた事もそうだし」

「……そうですか」

 じゃあやっぱり普通の事なんだな、と一旦は安堵する。

「って言うか、沙耶ちゃん? 仁くんともうそんな関係なの?」

「え? そんな、って?」
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