シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 チョイチョイと手招きされて、祥子さんが耳打ちをする。

「もうエッチしてるの?」

「……ッ!?」

 瞬時に顔が熱くなる。言った当人も少し照れていた。

「ちちち、違いますっ! 全然そんなんじゃなくって。まだまだ清い関係です!」

 告白された日にこの場所で深いキスをされているので、清い関係とも言いにくいが。今となってはピュア過ぎるほどピュアな関係だ。

「じゃあ……どういう事?」

 私の聞き方が悪かったのだと反省し、少し回りくどい気もしたが、先日颯太を入れた三人でトムカ博に行った事を事細かく説明した。

「なるほど。それはでも、仕方ないんじゃないかなぁ。相手を好きだって気持ちは自然と滲み出ちゃうし。実際、沙耶ちゃんから見た仁くんはかなり魅力的な感じがするし…」

「はい。それで悩みの問題はここからなんですけど…」

「うんうん」

「今朝も。いつも通り鳴海くんと駅で待ち合わせて出勤して……」

 私は、イベント会場に行って以来の、彼との日常を思い返した。

 颯太が鳴海くんに対して、嫌な態度をとってしまったので、変に傷付けていないかも心配で、会って早々に謝った。

「え? いやいや。そんなの全然平気だけど?」

「本当……?」
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