シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
ため息ひとつ残して階段を見上げ、おずおずと足を掛けた。
一段一段上へ昇って行きながら、言いようのない不安がこみ上げる。
ーーて言うか。連絡ないだけで、家まで来ちゃうって……ヤバいよね……。
二階に上がった所で立ち止まり、地面に視線を落とした。
ーーやっぱり会うのは諦めて、そのままコンビニに行って帰ろう…。
くるりと踵を返して一段降りたところで、扉の開閉音がした。
「……え。あれ? 沙耶、さん?」
大好きな人の声に反応して、不意に足が止まる。振り返ると、右手奥の角部屋前に鳴海くんがいた。
カーキ色のダウンジャケットにゆったりとしたスウェットパンツを合わせ、割とラフな格好をしている。
「……あ、あの。鳴海くん」
ぎこちない笑顔で立ち尽くしていると、キョトンとした様子で彼が近付き、「どうしたの?」と尋ねた。丸い黒目で、まだカラーコンタクトが入っていない。
「ごめん、その…」
言いながら俯き、顔全体が熱くなるのを感じた。
「会いたくて…」
ーーだって。丸二日も顔見てないんだもん。
「ああ……」
鳴海くんは照れくさそうに頬を掻き、「て、言うか」と続ける。
「メール、見てない?」
ーーえ……。
彼の声色が素っ気なく聞こえ、私は眉を垂れた。
一段一段上へ昇って行きながら、言いようのない不安がこみ上げる。
ーーて言うか。連絡ないだけで、家まで来ちゃうって……ヤバいよね……。
二階に上がった所で立ち止まり、地面に視線を落とした。
ーーやっぱり会うのは諦めて、そのままコンビニに行って帰ろう…。
くるりと踵を返して一段降りたところで、扉の開閉音がした。
「……え。あれ? 沙耶、さん?」
大好きな人の声に反応して、不意に足が止まる。振り返ると、右手奥の角部屋前に鳴海くんがいた。
カーキ色のダウンジャケットにゆったりとしたスウェットパンツを合わせ、割とラフな格好をしている。
「……あ、あの。鳴海くん」
ぎこちない笑顔で立ち尽くしていると、キョトンとした様子で彼が近付き、「どうしたの?」と尋ねた。丸い黒目で、まだカラーコンタクトが入っていない。
「ごめん、その…」
言いながら俯き、顔全体が熱くなるのを感じた。
「会いたくて…」
ーーだって。丸二日も顔見てないんだもん。
「ああ……」
鳴海くんは照れくさそうに頬を掻き、「て、言うか」と続ける。
「メール、見てない?」
ーーえ……。
彼の声色が素っ気なく聞こえ、私は眉を垂れた。