シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「あ! 鳴海くんっ」
例の件について全く話が出来ていないのを思い出し、つい両手で彼の腕を掴んでしまった。
鳴海くんはビクッと肩を震わせ、目を見開き驚いていた。
「……あ、ごめん。その、私からも聞きたい事があって」
言いながら触れていた手を離し、同時に頬がカッと熱くなった。
「……そっか。それじゃあ学校まで……歩きながら話す?」
「うん」
久しぶりに彼と一緒に改札を抜けて、学校へと歩き出す。
ーー「じゃあ今日からこのままで学校行く、って事で良いですか?」
不意に繋いだ手を上に挙げる彼を思い出した。
付き合い始めた頃は手を繋いでこの道を歩いていたんだ。そう思い、少しだけ寂しい気持ちに襲われる。
けれども、これは"慣れ"だと気付いた。別に手を繋げなくても、手の届く範囲に彼はいるのだ。ちゃんと両思いだし、鳴海くんだって、きっと我慢してくれてるはず。
「聞きたい事って、なに?」
地面に落としていた目をパッと上げ、私は若干慌てた。
ーーやだな、私ってば。いつまでスキンシップできないのを引きずってるんだろ。
「や、あの。鳴海くん、前に電話で言ってたじゃない? 実家に帰ってた、家庭の事情……の事。お母さんの彼氏に会うって」
「……」
「あの話、ちゃんと聞いておきたいなって、思ってて」
「……うん」
例の件について全く話が出来ていないのを思い出し、つい両手で彼の腕を掴んでしまった。
鳴海くんはビクッと肩を震わせ、目を見開き驚いていた。
「……あ、ごめん。その、私からも聞きたい事があって」
言いながら触れていた手を離し、同時に頬がカッと熱くなった。
「……そっか。それじゃあ学校まで……歩きながら話す?」
「うん」
久しぶりに彼と一緒に改札を抜けて、学校へと歩き出す。
ーー「じゃあ今日からこのままで学校行く、って事で良いですか?」
不意に繋いだ手を上に挙げる彼を思い出した。
付き合い始めた頃は手を繋いでこの道を歩いていたんだ。そう思い、少しだけ寂しい気持ちに襲われる。
けれども、これは"慣れ"だと気付いた。別に手を繋げなくても、手の届く範囲に彼はいるのだ。ちゃんと両思いだし、鳴海くんだって、きっと我慢してくれてるはず。
「聞きたい事って、なに?」
地面に落としていた目をパッと上げ、私は若干慌てた。
ーーやだな、私ってば。いつまでスキンシップできないのを引きずってるんだろ。
「や、あの。鳴海くん、前に電話で言ってたじゃない? 実家に帰ってた、家庭の事情……の事。お母さんの彼氏に会うって」
「……」
「あの話、ちゃんと聞いておきたいなって、思ってて」
「……うん」