シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
私は何も言えずに、ふと黙り込んだ。
小六の頃、血の繋がりのある両親の離婚を目の当たりにしていながら、思春期に別の恋人を紹介されるなんて…。私だったら、きっと絶対に嫌だ。
四年前の彼みたいに、反対するだろう。
「ごめんね、何て言うか。やっぱりさらっと言えるような内容じゃないよね?」
「え、」
沈黙した私の態度を悪い風にとられたかもしれない、そう思って、私はううん、とかぶりを振った。
鳴海くんはフッと目を細めて微笑んだ。
「でも、大丈夫だから」
「え?」
「今度は結婚しても良いってちゃんと言えたし。そもそも、母さんの彼氏、原田さんっていうんだけどさ。凄く感じの良い人だから」
「そ。そう、なんだ?」
うん、と小さく頷き、鳴海くんはすぐ側の建物を仰ぎ見た。
「もう学校着いちゃったね。また詳しく話すかもしれないから……その時は、……また聞いて?」
「……うん。もちろん」
学校の扉をくぐり抜け、階段を上がって行く彼に手を振った。
地下の購買部に降りながら、私は考えた。
鳴海くんは多分、自分と颯太を重ね合わせているんじゃないかって。
まだ思春期だった頃の自分の心を振り返り、颯太に同じ思いをさせたくないって。感受性の強い彼なら、そう思うに違いないと思った。
小六の頃、血の繋がりのある両親の離婚を目の当たりにしていながら、思春期に別の恋人を紹介されるなんて…。私だったら、きっと絶対に嫌だ。
四年前の彼みたいに、反対するだろう。
「ごめんね、何て言うか。やっぱりさらっと言えるような内容じゃないよね?」
「え、」
沈黙した私の態度を悪い風にとられたかもしれない、そう思って、私はううん、とかぶりを振った。
鳴海くんはフッと目を細めて微笑んだ。
「でも、大丈夫だから」
「え?」
「今度は結婚しても良いってちゃんと言えたし。そもそも、母さんの彼氏、原田さんっていうんだけどさ。凄く感じの良い人だから」
「そ。そう、なんだ?」
うん、と小さく頷き、鳴海くんはすぐ側の建物を仰ぎ見た。
「もう学校着いちゃったね。また詳しく話すかもしれないから……その時は、……また聞いて?」
「……うん。もちろん」
学校の扉をくぐり抜け、階段を上がって行く彼に手を振った。
地下の購買部に降りながら、私は考えた。
鳴海くんは多分、自分と颯太を重ね合わせているんじゃないかって。
まだ思春期だった頃の自分の心を振り返り、颯太に同じ思いをさせたくないって。感受性の強い彼なら、そう思うに違いないと思った。