シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 翌朝は枕元に父と母からのクリスマスプレゼント。サンタさんからと題して、電車を走らせるレールセットを貰っていた。

「ママ、ママーっ! こまちっち走らせるよーっ!」

 二十五日の朝、早速手に入れたレールを颯太と二人で組み立てて遊んでいた。立体交差が楽しめる内容で、一度に三つの電車を走らせる事の出来る優れものだった。

 ーーお母さん、良いの選んでくれたなぁ。

 颯太と一緒にドクターイエローも走らせて遊んでいると、ふと鳴海くんの言葉を思い出した。

 ーー「レールセットが集まったら、お兄ちゃんと一緒に作ろう?」

 ここからもっと沢山のレールを増やしていったら、あの言葉は叶うのだろうか?

 あどけない笑みでジャンプして喜ぶ颯太をぼんやりと見つめ、私は小さく息をついた。

「沙耶、そろそろ時間じゃない?」

「……え、あ」

 壁時計に目をやり、ソファーに置いた鞄を取りに行く。

 今日は楽しみにしていた鳴海くんとのデートだ。

 午後からの仕事をキャンセルしてくれた事から、てっきり出掛けられるのはお昼頃だと思っていたけれど、「どうせなら仕事の時間帯で遊んで来たら?」と母に言われ、その言葉に甘える事にした。
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