シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 ーー吉野、さん?

 私は首を傾げ、隣りの彼を見て「元カノ?」と尋ねた。

「ち、違うよ! そんなんじゃない。ただのス、」

「……ス?」

「……あ、いや。何でも……ない」

 鳴海くんは目を泳がせ、バツの悪い顔をした。

「仁〜、お前いまストーカーって言おうとしただろ?」

「は!? べ、別に」

「追っかけって言ってやれよー、可哀想に」

 ーーあ、追っかけなんだ?

 きっとモテたんだろうなぁ、と思い頬が緩む。

「ままま、その辺にしてやれよ。仁ちゃん困ってるから」

 駒野くんが場を和ませ、別の話題を振ってくれる。

「ところで水嶋さんは仁と同じ学校のコ?」

「え。あぁ、まぁ。そうですね」

 ーー学生じゃないけど、一応は……そう。

「つーか、もう行ってい? 今デート中なんだけど」

「おお、仁くん珍しくマジモードだね?」

「茶化すな」

 鳴海くんと駒野くんのやり取りを面白がって見ていると、「ねぇねぇ」と今度は女の子二人に話しかけられた。

「ナルミンと付き合ってるの? どっちから告白したの?」

「……えっと」

 ーーさっきから思ってたけど、みんな凄く友好的。絶対私の事、同い年だと思ってる…よね?

 学生の澤野くんや愛梨ちゃんと似たり寄ったりの対応に、つい苦笑してしまう。

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