シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 私はココアを頼み、鳴海くんはカフェオレを頼んでいた。

「鳴海くんって高校生の時はあんな感じだったの?」

「あんなって?」

「うーん、なんて言うか。飄々とした様な一匹狼みたいな……、割とクールな感じ?」

「……え、あ〜……」

 どうやら思い当たる節があるようで、彼は困った表情(かお)で頭を触る。

「駒野たちとつるんでた時は、丁度荒れてた時期だったからさ……口調とか態度も悪かったし。よく授業もサボってて」

「えっ、鳴海くんが?」

「うん。毎日退屈でくだらなくて、何か面白い事起きないかな〜って。結構無気力だった気がする」

 当時を思い出し、鳴海くんが眉を下げて苦笑する。

「……そうなんだ」

 ーーそれってやっぱり、お母さんの事が関係してるから、なのかな?

 気になって聞いてみる。

「うーん、そうだね。母さんに彼氏だって言われて原田さんを紹介されてから……。俺、色々な事に苛ついて、母さんにも当たりキツかったから」

「そう、だったんだ…」

「まぁ、言ってみれば反抗期、だったと思うけど。母親からすれば多分辛かっただろうなって今になって思うんだ」

 そこで頼んでいたココアとカフェオレが運ばれる。カップの淵に口を付け、鳴海くんが再び言葉をついだ。
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