シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 鳴海くんの反応に好感触を抱き、私は店員さんからの受け売りを得意気に話した。

「……凄い。沙耶さん、センス良いね?」

「ふふっ、ありがとう」

「ちょっと……付けても良い?」

「うん!」

 スマホカバーに付いた鏡を見せると、彼はそれを見ながら両耳からリングのピアスを外した。

 箱に収まった星と入れ替え、左耳にそれを付ける。小さく揺れるダビデの星がお洒落で可愛い。

 ーー思った通り、やっぱり似合ってる。

「ありがとう、沙耶さん。凄い気に入った。毎日付けるよ」

「うん」

 それじゃあ次は私の番と言わんばかりに、膝の上に置いた小箱を手にする。

 指先でピンクゴールドの華奢なリングをつまみ上げ、その見た目に魅入られる。リングの中央には小さなリボンのモチーフが輝いていた。

「可愛いっ」

「ははっ、沙耶さんのイメージ」

 言いながら鳴海くんは照れ笑いする。

 ーーそうなんだ。

 利き手である右手を見下ろし、どの指に付けようかな、やっぱりここは人差し指かなと考えていると、鳴海くんの手がひょいと指輪をつまみ上げた。

 ーーえ。

 不意に左手を取られ、心臓がドキンと飛び跳ねる。顔の中心からカッと熱が広がった。鳴海くんは真剣な表情で、私の左手を見つめ、そっと薬指に指輪を嵌めた。

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