シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「十八日の土曜日だよ?」

 ーーという事は、もう二週間も無いんだ。

 ぼうっとした意識でそんな事を思っていると、(かたわ)らより名前を呼ばれる。

「沙耶っち、おはよー! あけおめ、お久しぶり〜」

 上機嫌な彼女から元気を貰い、自然と口角が上がる。

「おはよう、愛梨ちゃん、澤野くん」

「おはよっ、今年もよろしくねー! 沙耶ちゃん、祥子さん」

 愛梨ちゃんに続いて澤野くんがテンション高く挨拶してくれる。祥子さんは商品チェックをしながら「こちらこそ」と微笑んだ。

「二人はコレクションに出品するの?」

 祥子さんの問いに、澤野くんは「いやぁ〜」と首を傾げるが、「愛梨は出すよー」と彼女は嬉しそうに言った。

「そういえば仁も出すって言ってたよな? ギリギリになって」

「うん、言ってたね」

「え。あ、そうなんだ?」

 二人の会話に私はキョトンとなる。

「鳴海くん、そんな事ひとことも言ってなかったな…」

 ーー今朝も普通だったし。

 何となく知らない事が寂しくて、ポツンと呟くと「あれじゃん?」と言って澤野くんがフォローしてくれる。

「エントリーしたものの、期日までに出来上がらなかったらカッコ悪いからとか、そういう理由だと思うよ?」

「……そっか」

 ーー冬休みも忙しそうだったし。きっと一生懸命になってるだろうから、言われるまで黙っていようかな……。

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