シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
何気なく目にかかる前髪を左手で払いのけた時、愛梨ちゃんが「あ!」と声を上げた。
「沙耶っちが指輪してるっ!」
「本当だ、しかも左手の薬指って……結婚指輪??」
「えっ」
一度に二人から指をさされ、私は狼狽えた。
「ち、違うよ? 普通に、クリスマスプレゼントとして貰っただけで」
「でも仁からでしょ?」
澤野くんと愛梨ちゃんの二人から真面目に問われて、小さく頷いた。
「え〜っ、いいなぁ、いいなぁっ。愛梨も指輪欲しーい」
言いながら愛梨ちゃんが澤野くんをジトっと睨みあげるので、澤野くんは困って眉を下げた。
ーーどうしよう。二人とも、何かあったのかな?
ちょうどその時、階段から衣服を手にした学生が降りて来て、「あの、ボタンホール…」と声を掛けられた。通常通り、その子に気付いた祥子さんが受付をするため、休憩室へと連れて行く。
二人の事が気がかりだったが、とりあえず仕事をしようと思った。
後になって愛梨ちゃんから聞いた話だと、クリスマスプレゼントに指輪をリクエストしたにも拘らず、澤野くんがネックレスと勘違いしたというものだった。指輪は誕生日プレゼントに先延ばしになったと彼女はボヤいていた。
程なくして、祥子さんの受付けが終わり、学生からボタンホールの代金を貰った。買い物をするために並んだ学生からも商品のお金を受け取る。
「沙耶っちが指輪してるっ!」
「本当だ、しかも左手の薬指って……結婚指輪??」
「えっ」
一度に二人から指をさされ、私は狼狽えた。
「ち、違うよ? 普通に、クリスマスプレゼントとして貰っただけで」
「でも仁からでしょ?」
澤野くんと愛梨ちゃんの二人から真面目に問われて、小さく頷いた。
「え〜っ、いいなぁ、いいなぁっ。愛梨も指輪欲しーい」
言いながら愛梨ちゃんが澤野くんをジトっと睨みあげるので、澤野くんは困って眉を下げた。
ーーどうしよう。二人とも、何かあったのかな?
ちょうどその時、階段から衣服を手にした学生が降りて来て、「あの、ボタンホール…」と声を掛けられた。通常通り、その子に気付いた祥子さんが受付をするため、休憩室へと連れて行く。
二人の事が気がかりだったが、とりあえず仕事をしようと思った。
後になって愛梨ちゃんから聞いた話だと、クリスマスプレゼントに指輪をリクエストしたにも拘らず、澤野くんがネックレスと勘違いしたというものだった。指輪は誕生日プレゼントに先延ばしになったと彼女はボヤいていた。
程なくして、祥子さんの受付けが終わり、学生からボタンホールの代金を貰った。買い物をするために並んだ学生からも商品のお金を受け取る。