シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「ぼくにパパが居ないのは、ぼくが悪い子だからだって……今日、エージくんに言われて」

 ズキンと胸が痛み、私は握り拳を心臓に当てた。

「……そんな事ないよ」

 颯太の隣りに座り、そのままギュッと抱きしめる。

「いつも保育園で頑張ってる颯ちゃんは、とても良い子だよ。ママの誇りだよ」

 小さな背中をさすりながら、「どうしてそんなお話になったの?」と事のいきさつを聞いてみた。

「なるほど……。お絵かきの時間に家族の絵を描いて、そこにママとおじいちゃんおばあちゃんしかいなかったから、エージくんは不思議に思ったんだね」

 颯太はコクンと頷き、言葉をついだ。

「ぼくが、パパはお空に行ったのって言っても、全然分かってくれなくて。ぼくが良い子じゃないから、パパに捨てられたんだろって言われて……」

 ーーそれは、離婚、とか。そういう意味合いの言葉かもしれない。

「ねぇ、何でぼくにはパパが居ないの?」

「……え」

「パパがお空に行ったっていうのは本当だよね? ぼくが悪い子だから居なくなったんじゃないよね??」

 何を、どう言って良いのか分からなかった。私は言葉に詰まり、ただ黙って頷いた。

「颯ちゃんは良い子だよ」と再び言って、颯太を抱きしめる。

 ーーまだ駄目だ。まだ本当の事は言っちゃいけない。

 不安から颯太が私にしがみ付いた。
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