シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか？

　月曜の朝、颯太を起こす前までは友達に言われた事を気にして、登園を嫌がるかな、と心配したけれど。

　そんな素振りも見せずに保育園に行ける事を喜んでくれていた。

　親としては本当にありがたいと思う。

「沙耶ちゃん、おはよう。もう颯太くん、大丈夫なんだ？」

　休憩室で着替えを済ませたところで祥子さんが出勤する。おはようございます、と会釈をして、自然と笑顔になる。

「はい。元気になったんで今日から登園です。忙しい時に急にお休みをしてすみませんでした」

　大丈夫だよー、と言って笑う祥子さんを見て、私の代わりに来てくれていた事務員の増本さんにも、お礼の電話を入れておこうと考える。

　五日ぶりに出勤したせいか、馴染みの学生が数人、「風邪大丈夫だった？」と心配して声を掛けてくれた。

　私に子供がいる事を知らない子ばかりで、若干申し訳ない気持ちになった。そんな中、二人の女子から気になる会話を耳にした。

「……てかさ、普通気まずくて来れないでしょ。仁くんに悪いとか思わないのかな？」

「シッ、聞こえるよ」

　ーー鳴海くん？　何の事だろう？

　学生の中には親しく話をする子ばかりでも無く、時に違和感とも言えるような、冷たい態度をとる女子もチラホラといた。