シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
18.誤解と嫉妬とプレゼント


「え? て言うか、仁くんとまだ別々に登校してたんだ?」

「あ、はい。今年に入ってから鳴海くん、コレクションで忙しかったみたいだし。電車降りたら走って行っちゃってたんで」

 津島さんと給湯室で話した内容を、早速祥子さんに相談すると、彼女は色々と思い当たる事があるようで、あ、と目を見開いて言った。

「そっか。アレはそういう事だったんた……」

「アレって?」

「あ、うん。沙耶ちゃんが休んでる間にね、もう一人のお姉さんは旅行ですか? って聞かれたから」

「……なるほど」

 ーー新婚旅行……って意味だよね?

 嘆息と共に片手で頭を抱えると、祥子さんが続けて言った。

「沙耶ちゃんは体調が悪くて休んでるんだよって言ったんだけど……あの時は何で旅行? って意味分からなかったんだよね。全然気付かなかったよ」

「そうですか」

「ねぇ、沙耶ちゃん」

「はい…」

「仁くんにちゃんと言っておいた方が良いよ? 手を繋げなくても、これからは学校まで一緒に来ようって」

 祥子さんに言われて、確かにその方が良いだろうなと思った。

「……はい。そうします」

 それに、今は自分の事に頭を悩ませている場合でもない。颯太のお友達問題だって、まだ解決した訳では無いのだ。

 放課後の開店時間を迎えた時。帰り掛けの愛梨ちゃんと澤野くん、そして鳴海くんが階段から降りてきて、購買部に立ち寄った。
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