シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「じゃねっ、仁くん。とりまバ先で! お疲れ〜?」
「おう、お疲れー」
階段を昇る彼女を何となく目に留めた時、ほんの一瞬だけ目が合った。
ーーえ。
「沙耶ちゃん、模造紙十五枚、三本いける?」
「え、ああ。はい」
祥子さんの呼びかけにハッとして、慌てて模造紙を巻きに休憩室へ行く。折り畳みの机を開いた。
ーー何だろう、今の。
もぞもぞとした不安が胸中を埋め尽くす中、私は模造紙十五枚を三回数えてクルリと巻きにかかる。
ーー何だかすごく……。嫌な笑い方をされた。
「沙耶さん」
「え、あっ」
いつの間にかすぐそばに鳴海くんが立っていて、ドキンと心臓が跳ね上がる。
「忙しいとこ、ごめんね? 俺もバイト有るから今日はもう帰るよ」
「……あ。うん」
バイバイ、と手を振る鳴海くんを見つめ、暫く手が止まる。
「お姉さん、模造紙まだー?」
「あ、ごめんね。もうすぐ出来るからっ」
両端に慌てて輪ゴムを二つ留め、待っていた三人の女の子に、順番に手渡した。
「て言うかさ、腑抜けすぎでしょー?」
「まぁまぁ。新婚ならそんなもんじゃね?」
「つか、仁くんが見ていてフビン〜」
「だねー」
「ホント可哀想。拾ってあげたーい」
きゃははは、と笑い声を上げ、模造紙を渡した女子グループが去って行く。
「おう、お疲れー」
階段を昇る彼女を何となく目に留めた時、ほんの一瞬だけ目が合った。
ーーえ。
「沙耶ちゃん、模造紙十五枚、三本いける?」
「え、ああ。はい」
祥子さんの呼びかけにハッとして、慌てて模造紙を巻きに休憩室へ行く。折り畳みの机を開いた。
ーー何だろう、今の。
もぞもぞとした不安が胸中を埋め尽くす中、私は模造紙十五枚を三回数えてクルリと巻きにかかる。
ーー何だかすごく……。嫌な笑い方をされた。
「沙耶さん」
「え、あっ」
いつの間にかすぐそばに鳴海くんが立っていて、ドキンと心臓が跳ね上がる。
「忙しいとこ、ごめんね? 俺もバイト有るから今日はもう帰るよ」
「……あ。うん」
バイバイ、と手を振る鳴海くんを見つめ、暫く手が止まる。
「お姉さん、模造紙まだー?」
「あ、ごめんね。もうすぐ出来るからっ」
両端に慌てて輪ゴムを二つ留め、待っていた三人の女の子に、順番に手渡した。
「て言うかさ、腑抜けすぎでしょー?」
「まぁまぁ。新婚ならそんなもんじゃね?」
「つか、仁くんが見ていてフビン〜」
「だねー」
「ホント可哀想。拾ってあげたーい」
きゃははは、と笑い声を上げ、模造紙を渡した女子グループが去って行く。