シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「あー……忙しい時間帯だったから、まぁ、仕方ないか。また見せて貰うと良いよ?」

 鳴海くんが見て欲しいと言っていた作品の事だと気付き、「あ、はい」と返事をする。

 祥子さんはきっと……ボタンホールの受付などで見たのだろう。

 私は……。

 自分の話をしたいばっかりで、鳴海くんの頑張った作品を見る事すら出来なかった。

 ーー何やってるんだろう、私……。

 彼が居なくなった階段の方を見つめ、キュッと下唇を噛んだ。

 *

 とにかく、今日中に鳴海くんと話をしよう。そう思い、帰りの電車に揺られながらメッセージを送った。

【鳴海くん、お疲れ様。今日話したい事があるからバイト終わったら連絡して下さい。待ってます】

 帰宅してから晩ご飯を食べ、颯太とお風呂を済ませた所でメッセージが届いているのに気が付いた。

【お疲れ様。俺も話したい事があるんだけど…ちょっとで良いから会えないかな?】

 ーーえ。会えるの?

 鳴海くんからのメッセージを読んで、瞬時に気持ちが(たか)ぶった。

【私も会いたい。いつも九時ごろに颯太を寝かせるから、|

「ママーっ、これ見てー?」

「颯ちゃん、ごめんね。ちょっとだけ待ってね?」

 またその頃に連絡します】▶︎

 続きの文章を打って送信し、颯太に目を向けた。
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