シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 鳴海くんは穏やかな顔で颯太を見ていたが。ともすると、不意に何かに気付いて表情が変わる。

「良かったね、水嶋ちゃん。その子が息子さん?」

「あ、津島さん。はい、颯太っていうんです」

 後ろに立っていた津島さんを見上げ、それからまた鳴海くんに目を向けると。

 彼は厳しい目つきで津島さんを睨んでいた。何で津島さんが一緒なんだ、と目で言っているような気がして、ギョッとなる。

「あっ、あの、鳴海くん? 津島さんたちとは偶然二階で会って、一緒に颯太を探してくれるって話に」

「"たち"?」

「え」

「津島"たち"って他に誰かいるの?」

 ーーあ。

 振り返ると、少し離れた場所にハルくんが立っていた。どういうわけか、彼はニヤついた顔で鳴海くんを見ている。

「……アイツ……?」

 鳴海くんは眉を潜め、首を傾げている。私と同様に、どこかで見た気がすると思っているのかもしれない。

「やれやれ。迷子捜索にヤキモチ発動させてる場合じゃないだろう、鳴海?」

 そう言って津島さんが颯太の側に腰を落とした。

「こんにちは? ママと会えて良かったね?」

 それまでシクシク泣いていた颯太だが、私の腕の中から顔を上げると、津島さんを確認して頷いた。

「おじさん、だれ?」

 ーーおじ……!??

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