シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
21.公園での砂場遊び
「わぁっ、お姉さんの指輪可愛い〜。お姉さんも結婚してるの??」
私より七つは年下だろうと思われる新一年生の女の子、マリリンちゃんが、人懐っこい笑みを浮かべる。
「ううん、私はまだ独身だよ。指輪は彼氏から貰ったものなの」
「へぇ〜、そうなんだ?」
「マリリン、そのお姉さん好きだな〜? また話し込んでんのかよ?」
彼女と仲の良い男の子が模造紙を買いに来て、それで彼女を小突いた。うるさいなぁ、とマリリンちゃんが口を尖らせる。
「沙耶っち、お疲れ〜。薄手一枚ね?」
相変わらずの元気良さで愛梨ちゃんがトワールをレジに置いて千円札を差し出した。私はレジ打ちをし、お釣りを渡す。愛梨ちゃんとの会話の一部始終を側で見ていたマリリンちゃんが「お姉さん」とまた声を掛けてくれる。
「お姉さんの名前、沙耶っていうんだ?」
「うん。そうだよ? 水嶋 沙耶っていうの。よろしくね、マリリンちゃん」
人懐っこい彼女はえへへと笑い、手を振って階段を昇って行く。
「ここの仕事ってさ」と不意に祥子さんに話しかけられた。
「立ちっぱで力仕事もあるけど、学生と気兼ねなく喋れるのが楽しいよね?」
二枚組と三枚組の模造紙を箱いっぱいに巻き終えて、祥子さんが穏やかに笑う。
「はい、確かに」
息子がいるからかもしれないが、私より年下の学生さんを見ると、無条件に可愛いなと思って彼らの夢を応援したくなる。