シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「あ。彼氏にうるさく言われちゃうかな?」
「あ、いえ。そういうわけじゃ無いんですけど……」
私に子供がいる事は、今のところ本店の従業員の人と祥子さん、そして学生の鳴海くんしか知らない。
学生の子に打ち明けるのは、あれこれ要らない詮索をされると困るから言えない。でも、事務局の人なら、分別のある大人だし言っておいても良いんじゃないかと思った。
「あの……、津島さん」
「はい」
「私。……その。四歳の子供がいるので、飲み会などには参加出来ないんです」
「……え」
「だから、お気持ちだけ有り難く受け取っておきますね。今日もお疲れ様でした」
言いたい事だけ言って、ペコリとお辞儀をし、私は外に出るため階段を昇った。
学校のガラス扉を抜けると風の冷たさに身震いする。帰り道はすっかり闇に包まれていた。
「早く帰らなきゃっ」
左手首の腕時計に目を落とし、最寄り駅までの道を駆けた。この時間だと、いつもの電車には乗れない。どれだけ急いでも家に着くのは七時十五分過ぎだ。
駅に着いたら母にメッセージを送っておこう。母の事だから、颯太の晩御飯はもう済ませているだろう。
購買部の仕事を始めてから、颯太の保育園のお迎えは母に任せっきりだ。
「あ、いえ。そういうわけじゃ無いんですけど……」
私に子供がいる事は、今のところ本店の従業員の人と祥子さん、そして学生の鳴海くんしか知らない。
学生の子に打ち明けるのは、あれこれ要らない詮索をされると困るから言えない。でも、事務局の人なら、分別のある大人だし言っておいても良いんじゃないかと思った。
「あの……、津島さん」
「はい」
「私。……その。四歳の子供がいるので、飲み会などには参加出来ないんです」
「……え」
「だから、お気持ちだけ有り難く受け取っておきますね。今日もお疲れ様でした」
言いたい事だけ言って、ペコリとお辞儀をし、私は外に出るため階段を昇った。
学校のガラス扉を抜けると風の冷たさに身震いする。帰り道はすっかり闇に包まれていた。
「早く帰らなきゃっ」
左手首の腕時計に目を落とし、最寄り駅までの道を駆けた。この時間だと、いつもの電車には乗れない。どれだけ急いでも家に着くのは七時十五分過ぎだ。
駅に着いたら母にメッセージを送っておこう。母の事だから、颯太の晩御飯はもう済ませているだろう。
購買部の仕事を始めてから、颯太の保育園のお迎えは母に任せっきりだ。