シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 そこは土で固められた小高い丘になっていて、所々がデコボコしている。

「隊員はそっちを頼む」

「あいあいさー」

 二人してまた棒を持ち、変な会話をしている。

 ーーあんな所で何してるんだろう?

「颯ちゃん! 鳴海くん!」

「あっ! ジンくん、ママ戻って来たよっ」

「本当だね」

 お弁当を入れた保冷バッグを手に、二人へと歩みを進める。

「そんな所で何してるの?」

 土で出来た丘の窪みにお互いが向かい合わせに座っていて、二人の距離は三十センチほど空いている。

「あのね、ママ! こんどはここにトンネル作るの!」

「……えぇ??」

 ーーどう見ても土が固そうで、掘り進めるのは困難そうだけど。

 鳴海くんに目で訴えると、彼は「凄いの出来るよ〜?」と言って颯太と笑い合っていた。

 何だろう、穴が掘りたいお年頃なのかしら……。

「ママ、ママっ。トンネル掘ったらね、その上にお城も作るの!」

 颯太は嬉々として棒切れを動かし、ガリガリと土を掘っていた。

「そうなんだ? 完成が楽しみだねっ。でも颯ちゃん、とりあえず先にお弁当食べようよ? ママ、タコさんウインナーも作って来たよ?」

「……うーん、これ掘ったらねー?」

 中々掘れない土に颯太は眉間をしかめている。

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