シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「そーたくん、なに作ってたの? お城?」

 マリちゃんとシュンくんは、颯太の側にちょこんと腰を下ろした。

「うん。コレがお城で〜っ、その下のがトンネルだよー? すごいでしょう??」

 颯太が自慢げに作品を披露し、思わず笑ってしまう。

「うわぁあ〜っ、すごいすごい! これ全部パパと作ったんでしょー?」

 ーーえ。《《パパ》》?

「いいなぁ〜っ、そーたくん。うちのパパお砂場あそびしてくれないもん」

「マリちゃんとこもだよー」

 羨ましがる二人を見て、颯太がえへへと笑った。

「じゃあいっしょに遊ぶ?」

 子供たちが顔を綻ばせて「うん!」と頷くが、即座にお母さん二人に一蹴される。

「駄目よ、マリちゃん。帰ったらまたお出かけしないといけないんだからっ」

「シュンちゃんもっ。もうすぐパパが帰って来るからお家に戻るわよー?」

「……はぁい」

 二人は肩を落とし、すごすごと立ち上がる。「そーたくん。バイバイ?」と手を振り、お母さんの元へと駆けて行った。

 目の合った鳴海くんは、肩を竦めてやんわりと笑っていた。

 私は鳴海くんと颯太に声を掛け、記念として今度は作ったトンネルやお城を背景に写真に残した。颯太は服を泥まみれにしながらも、キラキラとした笑みでピースをしていた。
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