シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「うん。……あ! どうせなら、私の家でお誕生会しようかな? 保育園のお友達を呼べるかは分からないけど、鳴海くんが来てくれたら颯太は喜ぶと思うし!」

「え……。それって。勿論、沙耶さんのお父さんも居るんだよね?」

「あー……うん」

 そこでしまった、と気が付いた。

 結婚する、とお互いに約束はしているけれど、なんの(ゆかり)もない学生の彼がうちに来るという事は、親にとっては"挨拶"になる。

 ーーそういうのは。まだ先にした方が良かったかな? 鳴海くんが、社会に出てから……。

 一抹の不安が過ぎるのだが。

「分かった。とりあえず、予定に入れておくね?」

 鳴海くんは、何事も無かったかのように微笑んでいた。

 颯太のお誕生日までは、あとひと月半だ。

 私は期待と不安を抱えたまま、学校までの道のりを歩いた。

 ***
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