シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
23.颯太の気持ち


「えぇーっ! そーたくんのパパってガイコクジンじゃないのぉ??」

「うん。百パーセント、日本人だよ?」

「……そうなんだぁ」

 砂場で一緒にお山やダムを作るのは、颯太のお友達のマリちゃんとシュンくんだ。二人はまん丸の目を見開きながら驚いたり、がっかりしたりしている。

 心地よい春の陽気を満喫したくて、この頃は外遊びに没頭する日々が増えている。鳴海くんと颯太と私の三人でいつものように砂場で遊んでいたら、そこにマリちゃんとシュンくんが加わる事になった。

 二人のお母さんは近くのベンチに座りながら子供の様子を見守っている。

 五月を目前に控えた祝日。太陽の温もりを含んだ風が颯爽と通り過ぎ、その匂いに晩春を思わせた。

「だって。……ねぇ? シュンくん」

 マリちゃんはこてんと首を傾げ、シュンくんに目配せをした。シュンくんは「うん」と頷き、「エージくんが…」と頼りなく呟いた。

「エージくん?」

 颯太の話に出てきた男の子だと思い、殊の外反応してしまう。

「……うん。エージくんが言ってたんだよ? そーたくんのパパはガイコクジンだから、今まで一度もみたことなかったんだって」

「そうそう。ずっとガイコクにくらしてたから、てっきりパパはいないんだと思ってたって」

「へ、へぇ〜……」

 これは否定しても良かったものかと、私は曖昧な笑みを浮かべた。
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