シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
九時五分前になり、自動シャッターを上げた。いつものように白シャツに黒のエプロン、黒のパンツスタイルでミシン糸や釦を載せた棚を廊下に移動させ、買い物に来る学生たちに「おはよう」と挨拶をする。
今日のレジ担は祥子さんなので、私は糸や釦、ファスナーを選ぶ学生たちの接客に立ち回っていた。
デニムのファスナーを選んだ女の子から、加工の注文を聞き、レジに運んだ時。
「……あ」と呟く津島さんと目が合った。私も同様に口を開ける。
「水嶋ちゃん」と呼ばれ、ちょいちょいと手招きされた。比較的、まだすいている購買を見渡し、津島さんの元へ行く。
「昨日、ごめんね? 急に電話して。あの後大丈夫だった?」
申し訳無さそうにする津島さんに、こっちが申し訳無くなる。
「あ、はい。こちらこそすみませんでした。電話頂いたのに用件も聞かずに切っちゃって……」
いや、と小さく首を振り、津島さんが困ったように笑う。
「用件はね、ハルの事なんだ。あいつ昨日かなり落ちててね。理由を聞いたら水嶋ちゃんに嫌われたって言ってたから……それで何があったのか気になって」
「……そうだったんですね」
昨日のハルくんを思い出し、心臓の奥がまたズキンと傷んだ。
「今日……、ハルくんは?」
今日のレジ担は祥子さんなので、私は糸や釦、ファスナーを選ぶ学生たちの接客に立ち回っていた。
デニムのファスナーを選んだ女の子から、加工の注文を聞き、レジに運んだ時。
「……あ」と呟く津島さんと目が合った。私も同様に口を開ける。
「水嶋ちゃん」と呼ばれ、ちょいちょいと手招きされた。比較的、まだすいている購買を見渡し、津島さんの元へ行く。
「昨日、ごめんね? 急に電話して。あの後大丈夫だった?」
申し訳無さそうにする津島さんに、こっちが申し訳無くなる。
「あ、はい。こちらこそすみませんでした。電話頂いたのに用件も聞かずに切っちゃって……」
いや、と小さく首を振り、津島さんが困ったように笑う。
「用件はね、ハルの事なんだ。あいつ昨日かなり落ちててね。理由を聞いたら水嶋ちゃんに嫌われたって言ってたから……それで何があったのか気になって」
「……そうだったんですね」
昨日のハルくんを思い出し、心臓の奥がまたズキンと傷んだ。
「今日……、ハルくんは?」