シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「ああ、来てるよ? 今朝行きたくないってゴネてたけど、仕事に私情挟むなって喝入れたから」

「……そうですか」

 ーー良かった。ちゃんと来てるんだ。

 ホッと胸を撫で下ろすと、津島さんが改まった口調で「あのさ」と言った。

「こう言ったら何だけど……鳴海って束縛キツいの?」

「……え?」

「あ、いや。昨日何となく思って」

 ーー束縛?

 どうなのか分からなくて、私は首を傾げた。

「わ、からないんですけど……。本人はヤキモチ妬きって言ってました」

「あぁ、……だね?」

 津島さんはフッと頬を緩めて笑った。

 昨夜の鳴海くんを思い出し、「あ」と急に思い立つ。

「あ、あのっ、その事で……。申し訳無いんですけど」

「うん?」

「私の携帯番号、消して貰ってもいいですか?」

「え……」

 津島さんは案の定目を丸くし、何故、と眉を潜めた。

「ごめんなさい。その……鳴海くんが良い気しないみたいなので」

 うーん、と難しい顔をしたあと、津島さんは渋々ながら「分かったよ」と了承してくれた。

「でも、水嶋ちゃん」

「はい」

「彼氏だからって何でもハイハイ言いなりになるのは……、僕としてはあまり感心しないな」

「あ……。はい」
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