シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「何でそんな事にって、正直引くよね?」

「え、そんな事ないよ! それに、沙耶さんの若さで子供育ててるって、俺凄い事だと思う!」

 フッと私は口角を上げた。

「大丈夫だよ? そんな、気を遣ってくれなくても」

「そんなんじゃない、本心だし」

 真剣な表情をする鳴海くんが、どういうわけかキラキラして見えた。

「最初、エレベーターで会った時。沙耶さん、自分の事よりも、颯太くんの心配してるなって。表情見て分かって……。
 俺とほとんど歳変わんないのに、普段からちゃんと母親やってる人なんだなって。凄い素敵に見えた」

「鳴海くん」

 不安で冷静さのかけらも無かった私を、そんな風に思ってくれてたんだ。

 そう思ったら、胸の内がじんわりと熱くなった。

「颯太くんのための結婚って、沙耶さんは気にするかもしれないけど。ママが居るだけで、颯太くんはきっと幸せだと思うよ?」

「……あり、がとう」

 不意に変な子だなぁと思った。ゲームのキャラクターみたいな格好をしている彼は、人の心に敏感で、照れ屋で気さくで時々ドジっ子で。

 私の周りに、今まで居なかったタイプだ。

「……あの、」

「うん、なに?」

 鳴海くんに話しかけられ、顔を上げる。
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