シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 今朝津島さんに言われた事が何となく引っかかっていて、私は思わず尋ねていた。

 祥子さんはパクパクとお弁当を食べ進め、ご馳走さまと手を合わせた。

「独占欲が強いだけで束縛っていうのとは、ちょっと違うんじゃない? 上手く説明出来ないけど」

「そう、ですか…」

 祥子さんから見た鳴海くんが"そう"では無くて、ホッとする。

「でも、祥子さん」

「うん?」

「私。何だか最近の鳴海くんはスキンシップが極端な気がして……その、戸惑うって言うか」

「うーん。確かに仕事中に公私混同されるのはちょっとねぇ」

 そう言って嘆息した後、「まぁ、まだ仁くんも若いから」と言ってお茶を飲んでいる。

「……て、言うか、その。今まで我慢してた反動で、ああやってくっ付いて来たりするのかなって。そんな風にも思ったりしてて」

「……ああ、それは」と言って、祥子さんはマグカップを机に置いた。

「ハル坊のせいじゃない?」

「……え?」

 ーーハルくん?

「だってさ。沙耶ちゃんにベタベタ触るのって、仁くん以外ならハル坊しかいないじゃん?」

「……そう言われれば、そうですよね」

「きっと指先一本触れられたくないんだろうね? まぁ、そのお陰と言ったら何だけど。仁くん、遠慮なく沙耶ちゃんにベタベタ出来て嬉しそうだけどねぇ」

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