シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 首を振って、微笑んだ時。ハルくんがいつもの調子で目を輝かせ、私に手を伸ばすので、サッと一歩後退る。

 ハルくんは「え…」と眉を下げた。

「あと、それとね? 今後は私に触らないで欲しいんだ」

「え」

「ハルくんが嫌とかそういうのじゃ無くて。やっぱり恋人以外の男の子とスキンシップするのは、ね。変でしょ? ましてや私、母親だし。何か節操ない気がして、嫌悪って言うか……。そういうの嫌なんだ…」

「そう、なんだ……?」

「…うん。スキンシップぐらい普通だって、ハルくんは私の事、自意識過剰に思うかもしれないけど、そういう事だから」

 ハルくんは、何かしら考えを巡らせ、「分かった」と頷いた。

「俺……。沙耶ちゃんの事、ちゃんと諦めるから」

 私は無言で頷き、「ありがとう」と言って、給湯室を後にした。


 *

 翌朝も駅で待ち合わせをしてから購買部まで送って貰い、休憩室で鳴海くんとキスをした。休憩室の扉を後ろ手に閉めてから抱きしめられ、初めてここでキスをしたあの日のように、彼は執拗に私の唇を求めた。

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