シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 ーーああ、これは不機嫌の連鎖だ。

 私はため息を落とし、颯太を宥めに行った。

「颯ちゃん、せっかくのお誕生日なんだし、みんなでもう一回遊ぼう?」

「……イヤっ! ぼくもう遊ばないもん!」

「そんな事言わないで、ほら。ジンくんも来てるし、今度はミニカーで遊ぼうよ?」

「そんなのイヤっ! もうママ、あっち行って!」

 ーーどうしよう。困ったな……。

 私は颯太のそばを離れられず、座り込んだままで肩を落とした。ふぅ、とまた嘆息し、颯太を見つめていると、「沙耶さん」と肩に手を置かれた。

「颯太くんと話してもいい?」

 ーーえ。

「あ、うん」

 私が座っていた場所と交代して鳴海くんが座る。

「颯太くん」

「……」

「颯太くんはお祖父ちゃんが大好きなんだね?」

「むぅっ、好きじゃないもん! もういいから、ジンくん、あっち行って!」

 冷たく突き放す颯太を見て、「鳴海くん」と声を掛けた。彼は首を振って笑い、「大丈夫だから」と引き続き颯太に話しかけた。

「えぇ〜?? ホントかなぁ〜?」

 そう言って笑い、どういうわけか別の話題を振った。

「じゃあさ? ひとつ、お兄ちゃんと簡単なゲームをしよう」

 ゲームと聞いて颯太が丸まった三角座りから顔を上げた。

「どんなゲーム?」
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