シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「じゃあ、お祖父ちゃんにちゃんとそれを言っておいで? お祖父ちゃん、颯太くんが大好きだから、キライって言われて悲しんでるよ?」

 颯太はグス、と洟をすすり、「わかったっ」と深く頷いた。部屋の隅からタタタと走り、父に声を掛けている。

「おじいちゃん、さっきはごめんなさい。……もういっかい遊ぼ?」

「お、……おお、颯太。遊ぼうな?」

 そこにマリちゃんとシュンくんも混ざり、またイチからすごろくをする話になっていた。

「ジンくーん! ジンくんもやろうよー?」

 鳴海くんは困ったふうに笑い、「お兄ちゃんどうせベベだから、お兄ちゃん抜きでやって?」と真剣にお願いしていた。その言い草を見て笑ってしまう。

「鳴海くん、さっきはありがとう」

「うん? いや…」

 ソファーに座りながら子供たちの様子を見て、私は彼に話を続けた。

「でも、あれじゃあさっきの勝ち負けに対しては納得してくれないんじゃない?」

 さっき父が一番に上がった事に関しては一言も触れていなかったので、疑問に思って尋ねた。

「良いんだよ、それでも」

 鳴海くんは穏やかに微笑んでいた。

「何が正しくて何が間違ってるのかを分からせる事じゃなくて、今の颯太くんに必要なのは自分に嘘をついたらいけないって事だから」

「……自分に。嘘を?」
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