シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
27.喜び事の連鎖
今回の挨拶について、母に関しては何度か顔を合わせているので、全く心配などしていなかった。でも父の反応は予想外もいいところだった。
颯太がいながら、まだ学生の彼と付き合ってるなんて冗談じゃない、今すぐ別れなさい……と。多少行き過ぎた想像ではあったけれど、父なら渋い顔をしてそう言うと思っていた。
ーー鳴海くんって凄いな……。
混雑した通勤電車でぴったり寄り添いながら、私は彼を見上げた。
鳴海くんが頑張ってくれたように、次は私が頑張る番かもしれない。そう思い、「ねぇ」と話しかけた。
「鳴海くんのお母さんって私の事知ってるの?」
「え……」
彼はキョトンと目を瞬いた。
「あ、いや。その……、鳴海くんに私っていう子持ちの彼女がいる事とか、結婚を前提に付き合ってる事とか、そういうの…」
言いながら、きっと親ならいい気はしない内容を語っているなと思った。息子が初婚で子連れ結婚なんて、動揺するに決まってる。
鳴海くんは瞳をくいっと持ち上げて、ああ、と息をついた。
「この間実家帰った時に、大体の事は話したよ?」
「……えっ」
ーー大体の事って。
「結婚したい彼女がいるんだけど、四歳の息子さんがいる未婚のママさんだって」
「……そ、それで?」
「ビックリしてた」
ーーそりゃあ、
「そうだろうね……?」