シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
4.彼女の彼氏
「沙耶ちゃん、聞いてよ〜っ」
「なになに、どうしたの?」
仕事に慣れてくると、学生達との付き合いにも慣れてきて、何人かの女の子とも仲良くなった。
「この間、カレシがさ〜」と、大体は恋愛相談を持ちかけられる事が多く、苦笑してしまう。
妊娠を告げた途端捨てられた私が、若い子の相談に乗れるとも思えない。
「ほらほら、いつまでもしょげて無いで、学生の本分! しっかり授業受けて来なさいよー」
祥子さんが、彼女たちに喝を入れてくれて、悩み人は渋々立ち去る。
「沙耶ちゃんの見た目が若いし、みんな親近感を持ってくれている証拠よ」
そう言って祥子さんは温かい笑みを向けてくれる。
ありがとうございます、と私は会釈した。正直、恋愛相談で助けて貰えるのは有り難い。
「沙耶っち〜っ」
ーーんん? 今度は何だ?
最近、急に懐いて来るようになった女の子の愛梨ちゃんだった。艶やかな髪をいつも綺麗にカールし、いかにも女子力が高そうな子だ。