シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「最近、カレシが冷たくて。もう別れるかもしれないーっ」

「えぇ? 何で?」

「分かんないよー。愛梨、何にもしてないし。それなのに、最近急に避けられるようになって」

「……そうなんだ」

 なんか……とても他人事とは思えないな。

 愛梨ちゃんの為になるアドバイスは出来ないだろうか、と考えるが。

 結局は思い浮かばす、休み時間終了のチャイムが鳴る。

「また今度聞いてー」

 力無く手を振りながら言い残し、愛梨ちゃんが階段を昇って行く。

「あいつの彼氏って、仁だよ?」

「え……」

 購買部を閉めている時、不意に傍より話しかけられ、顔を上げた。

「あ。チャック、じゃなくて。澤野くん……」

 鳴海くんの友達だ。

「チャックで良いよ〜、沙耶ちゃん!」

 自動シャッターを下ろし、私は溜め息をついた。学生でも女の子と仲良くなれるのは嬉しいが、男の子はちょっと遠慮したいなと思ってしまう。

 澤野くんは誰にでもフレンドリーで、尚且つイケメンでもあるので女の子からも好かれている。要するに、モテる男の子に関わるのは、後が怖くて嫌なのだ。
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