シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
頬を染める鳴海くんと目が合い、その赤面が私にも移る。恥ずかしくて、私はまた目線を下げた。
「そろそろ十時だ。始めようか?」
「はーい」
山本先生の声掛けで、みんながそれぞれの持ち場へ移動する。式場となる教室は丁度隣りだ。
ドレスの丈に合わせて履いた厚底パンプスで、転けないように気を付けて歩く。ドレスの裾を持った学生たちにエレベーター前までエスコートされた。
その時にウェディングヴェールを被せられ、フワッと視界に霞がかかる。
私は颯太と手を繋ぎ、合図の時を待った。颯太は緊張しているのか、僅かに頬が強張っている。繋いだ手に力が入った。
「颯ちゃん」と優しく声を掛ける。
「ママと一緒に、"パパ"の所まで行こうね?」
「っ、うんっ」
颯太は少しだけ泣きそうな顔をしていた。小さな手でキュッと目を擦り、洟をすすった。やがて音楽が鳴り響いた。
定番のファンファーレが鳴るかと思いきや、軽快でリズミカルな女性シンガーの曲だった。グッと喜びに似た感情が込み上がる。涙が滲みそうになるのを堪え、「颯ちゃん、行こう!」と満面の笑みを浮かべる。
「うんっ!」
さっきまでの緊張はどこへやら、颯太は音楽に気持ちをのせて楽しそうに歩いた。女の子の学生が二人、ドレスの裾を持って付いて来てくれる。
「そろそろ十時だ。始めようか?」
「はーい」
山本先生の声掛けで、みんながそれぞれの持ち場へ移動する。式場となる教室は丁度隣りだ。
ドレスの丈に合わせて履いた厚底パンプスで、転けないように気を付けて歩く。ドレスの裾を持った学生たちにエレベーター前までエスコートされた。
その時にウェディングヴェールを被せられ、フワッと視界に霞がかかる。
私は颯太と手を繋ぎ、合図の時を待った。颯太は緊張しているのか、僅かに頬が強張っている。繋いだ手に力が入った。
「颯ちゃん」と優しく声を掛ける。
「ママと一緒に、"パパ"の所まで行こうね?」
「っ、うんっ」
颯太は少しだけ泣きそうな顔をしていた。小さな手でキュッと目を擦り、洟をすすった。やがて音楽が鳴り響いた。
定番のファンファーレが鳴るかと思いきや、軽快でリズミカルな女性シンガーの曲だった。グッと喜びに似た感情が込み上がる。涙が滲みそうになるのを堪え、「颯ちゃん、行こう!」と満面の笑みを浮かべる。
「うんっ!」
さっきまでの緊張はどこへやら、颯太は音楽に気持ちをのせて楽しそうに歩いた。女の子の学生が二人、ドレスの裾を持って付いて来てくれる。