シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか？

「今颯太にお昼ごはんを食べさせてるからね。必要な物だけ持って、鳴海さんとゆっくり過ごしなさい」

「お母さん…」

「颯太の事は大丈夫だから。あなたももう少し、自分に欲張りになって良いのよ？」

　私は鳴海くんを見てから、母に向き直り頷いた。「ありがとう」と言って、鳴海くんに少し待ってて貰うようにお願いをした。

　私が仕事用の鞄や化粧品、ルームウェアを用意している間、鳴海くんは外で母と話をしていた。私が玄関の扉を開けた時、丁度今日撮った写真を母に見せていて、母は「まぁ、綺麗っ！」と言って顔を綻ばせていた。

「本番の日も楽しみねぇ」

「はい。出来るだけ早くに実現させますので」

「よろしくね？」

　母は「うふふ」と笑い、私と入れ違いに家の中へ入って行った。私と鳴海くんの、『模擬』ではない結婚式を母は待ち望んでいる様子だった。

「お待たせ」と声を掛けると、「貸して？」と手を差し伸べられた。私の手からお泊まりグッズの鞄を取り、鳴海くんが部屋まで運んでくれる。

「とりあえず荷物を置いたら、お昼を食べに行こう」

「うん。朝が早かったから、もうペコペコ」

「俺も」