シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「それよりもいきなり孫が出来て、何だか変な感じだわ。颯太くん、またいつでも遊びに来てね?」

「うんっ!」

 颯太は予想以上にお行儀も良かった。私にとって、大切な場所だと幼いながらに弁えているからだろう。

 帰る頃になって、お母さんが改まった口調で言った。

「頼りないかもしれないけど。これからも仁の事、支えてあげてね?」

「……はい」

 頼りないなんてとんでも無い。そう思ったけれど、私は丁寧にお辞儀をして彼の実家を後にした。来た時と同様に、最寄り駅まで原田さんが送ってくれた。

 *

「今年のクリスマスは、沙耶さんどうするの?」

「え。ああ〜…」

 昨日彼の実家に行ったばかりの月曜日。今週末の金曜日はもう十二月二十五日だ。

 駅から学校までの道のりを歩きながら、去年の事を思い出していた。デートの相談かな、と頭を巡らせる。

「今年も家族でクリスマス会、やるんでしょ?」

「……え」

 当然、二十三日から二十五日の間で、去年そうしたように二人きりでデート出来るかどうかの問いだと思っていたので、真顔になる。

「あ、うん。木曜日から私、本店勤務だから……土曜日に有給取って金曜日の夜に颯太とクリスマスしようかなって」

「……なるほど」
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